アプリ & SDK市場レポート
2023年2月号

国内iOSアプリ

「Adjust」「Appsflyer」SDK

採用アプリ数・採用アプリ

 

弊社のパートナー、インターアローズが国内総代理店となっている米国MIXRANKは、データの取得が難しいアプリ内での採用SDKデータを提供できることで、世界的に高い評価を得ています。今回はこのMIXRANKのデータを使用して、アプリSDKの中でも、アクセス解析やアトリビューション分析、広告効果分析等で評価の高い「Adjust」と「AppsFlyer」をピックアップし、”これらのSDKが現在国内でどれくらいのアプリで採用されているのか?”、”その代表的なアプリはどのカテゴリで、どのアプリなのか?”をレポートします。

まず今回ピックアップした「Adjust」と「Appsflyer」がどのようなSDKなのかを簡単に説明します。「Adjust」はドイツ発のアプリ計測ツールで、「Appsflyer」はイスラエル発の計測ツール。両SDKとも基本的に、モバイル市場のキープレーヤーとして、ユーザーの行動分析や広告効果測定、継続率やコンバージョン率等を正確に分析できる高度な分析ツール、不正な広告であるアドフラウド防止機能などのソリューションを提供しています。

最初に、国内iOSバージョンにおける「Adjust」の採用状況を見てみましょう。MIXRANKによれば、2023年2月時点で、国内iOSアプリで「Adjust」を採用しているアプリ数は1,429。カテゴリ的には「ゲーム」がトップで437。これに「ソーシャルネットワーク」(290)、「ライフスタイル」(188)が続いています。「ゲーム」カテゴリが多い理由は、現状ゲームアプリの大半が「無料プレイ+アプリ内課金」のビジネスモデルとなっているため、いかにこのSDKを活用して、ユーザーの獲得、維持、課金率・課金額のアップを図っていると思われます。

下記Figure 1が、現在「Adjust」を採用しているゲームアプリの一例です。スクウェア・エニックスの「風のドラゴンクエスト」「ドラゴンクエストウォーク」、任天堂の「Dragalia Lost」、アニプレックスの「ディズニーツイステッドワンダーランド」等の人気ゲームが「Adjust」を採用していることが分かります。

 

Figure 1 :

国内iOSアプリ

2023年2月

「Adjust」採用ゲームアプリ(一部抜粋)

(Source : MIXRANK, iOS apps, February, 2023, Japan)

 

一方、ゲーム以外(ノンゲームアプリ)で「Adjust」を採用しているアプリの一例をピックアップしたものが、下記Figure 2となります。主なアプリを挙げると、ショッピングカテゴリでは「メルカリ」「楽天市場」「ZOZOTOWN」、エンターテイメントでは「ABEMA」「FOD」、ニュースでは「グノシー」「NIKKEI」等が「Adjust」を採用し、ユーザーの行動分析や広告効果測定、継続率やコンバージョン率の向上を図っていることが推測されます。

 

Figure 2 :

国内iOSアプリ

2023年2月

「Adjust」採用ノンゲームアプリ(一部抜粋)

(Source : MIXRANK, iOS apps, February, 2023, Japan)

 

次に「Appsflyer」の採用状況を見てみましょう。まず国内iOSアプリの採用総数は913。カテゴリトップは「Adjust」同様「ゲーム」で208。これに「ライフスタイル」と「ショッピング」が134の同数で続いています。「Adjust」と比較して「ショッピング」の比率が高く、逆に「ソーシャルネットワーキング」の比率が低い結果となっています。

「ゲーム」カテゴリで「Appsflyer」を採用しているアプリの一例をピックアップしたものが下記Figure 3です。主なゲームアプリを挙げると、XFLAGの「モンスターストライク」、KLabの「ラブライブ!School idol! フェスティバル」、KOEI TECMO GAMESの「三國志 覇道」、SEGAの「ぷよぷよ!!リクエスト」等が挙げられます。

 

Figure 3 :

国内Apple App Store

2023年2月

「AppsFlyer」採用ゲームアプリ(一部抜粋)

(Source : MIXRANK, iOS apps, February, 2023, Japan)

 

ゲーム以外のアプリでは多彩なアプリが「AppsFlyer」を採用しており、主なアプリとして、ファイナンスカテゴリでは「PayPay」「freee会計ソフト」、ライフスタイルでは「Tポイントアプリ」「EPARKアプリ」「タウンワーク」、エンターテイメントでは「TSUTAYAアプリ」、ナビゲーションでは「SUUMO」、ショッピングでは「ジーユー」が挙げられます。

 

Figure 4 : iOSアプリ

国内Apple App Store

2023年2月

「AppsFlyer」採用ノンゲームアプリ(一部抜粋)

(Source : MIXRANK, iOS apps, February, 2023, Japan)

 

 

 

iOS「ABEMA」アプリ

採用SDK一覧

昨年の話題となったトピックスの一つとして、「ABEMA」TVが「FIFAワールドカップカタール2022」の全64試合を完全無料生中継して過去最高視聴率を達成したことが挙げられます。今回はこの「ABEMA 」iOSアプリをピックアップし、そのアプリの中で現在どのようなSDKが採用されているのかレポートします。

下記Figure 4が、iOS版「ABEMA」が採用しているSDKの一覧となります。その内容は、基本的に開発系に関してはApple が提供しているSDKが中心となっていますが、その他Googleの「Firebase」系のSDKを組み合わせ、さらにGitHub系のSDKも採用していることが分かります。その他、ユーザー行動分析、広告効果測定では、前述の「Adjust」を採用し、広告関連では「MoPub」、さらに各種機能のモニタリングで「New Relic」を採用しています。

 

Figure 4 :

2023年2月

「ABEMA」iOS版採用SDK一覧

(Source : MIXRANK, iOS apps, February, 2023, Japan)

 

 

米国サンフランシスコで生まれた先進的なテクノロジーデータ「MIXRANK」は、WebサイトテクノロジーからモバイルSDKデータ、ディスプレイ・テキスト広告まで、総括的にデータをトラックします。特にWebテクノロジーと、iOSを含むモバイルアプリ・SDKデータの両方をトラックしている企業はほとんどなく、MIXRANKが高い評価を受けてる理由の1つです。SDKに関しては、世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能です。

詳しくは https://interarrows.com/mixrank.html

 

株式会社インターアローズ

インターアローズは、 デジタルマーケティング&ソリューション・エージェンシー。ICT世界市場における技術動向の調査および評価を通じて、革新的なインターネットデータおよびソリューションサービスを顧客に提供しています。 インターアローズはまた、グローバルな技術とビジネスを日本に紹介することを専門としています。 戦略的海外パートナーには、Airnow、 MIXRANK、UXCam、およびCrazy Eggがあります。 インターローズは東京とロンドンにオフィスを構えています。

詳しくは http://www.interarrows.com/

 

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